最近、陸上選手の福部真子さん(日本建設工業)が組織球性壊死性リンパ節炎、通称「菊池病」にかかったとSNSで発表されました。その投稿を見て、私も2020年に同じ病気にかかり、高熱が続き、原因不明のまま不安を抱えた経験を思い出しました。当時はネット上の体験談にとても助けられた記憶があります。
菊池病の再発率は5%と言われていますが、私自身は病気を発症してから、風邪など他の病気が悪化しやすくなったと感じています。この記事では、私の体験談と、菊池病を発症した後の日々の過ごし方についてお話しします。
菊池病とは?
菊池病の正式名称は「組織球性壊死性リンパ節炎」で、主に30歳未満の女性に発症しやすい病気です。主な症状は、
・38度以上の高熱が数週間続く
・首のリンパ節が腫れる
・倦怠感や寒気
確定診断には喉の生体検査が必要とされていますが、体を傷つけてしまうことからあまりおすすめはされていないようです。診断の際は血液検査や触診で判断されることが多いです。
治療法はなく、症状を緩和するためにステロイド剤が処方される場合があります。
実際、私もお医者さんから血液検査と触診で判断され、菊池病なら治療法がなくステロイド剤で様子見しかできないので生体検査はおすすめしないと説明されました。
参考:ほその耳鼻咽喉科:菊池病(組織球性壊死性リンパ節炎)とは
私の体験談:菊池病の発症から退院まで
発症の経緯
2020年、ある日突然高熱が続きました。きっかけは食あたりくらいの小さな体調不良がきっかけだったように思います。ちょうどコロナが流行しており、高熱患者は病院に診察してもらうのも大変でした。病院では解熱剤で様子見するように言われたのですが、解熱剤が合わなかったのか、解熱剤を飲んでも38度のまま改善しない日々が続きました。当初は内科を受診しましたが原因がわからず、解熱剤も効かない状態で5日目に寒気がひどく震えが止まらなくなり、入院することになりました。
入院生活
入院中は点滴の解熱剤が効いたのか症状が改善しました。解熱剤について複数処方され、自分はカロナールが効きやすいことが分かりました。他の解熱剤では38度近くの状態に対して、カロナールでは37度になるのでかなり楽になりました。解熱剤の種類によってここまで効果が違うとは思っていませんでした。
しかし、原因不明のまま、解熱剤が切れると熱が上がるという状態が続き、2時間程度は高熱に耐える必要があり苦痛でした。また入院中、採血や様々な検査をしてもらいました。入院して5日後くらいに、血液検査の結果と首の腫れから菊池病かもしれないと診断されました。当時は首の腫れに気づいておらず、首の上の方に大きなしこりがありとても驚きました。病名は分かりましたが、治療法がないため、安静にして体が自然に回復するのを待つしかありませんでした。
入院中は菊池病について調べてもお医者さんの記事が少なく、体験談を頼りに今後どうなってしまうのか心配していました。特に参考になったのがこの方々です。
- さんじろさん:高熱が1カ月続く“地獄の日々” 特効薬のない「菊池病」のつらさ、体験漫画で知る
- 漫画で詳細に経緯から説明してくださってとても分かりやすいです。
- 治ったと思ったらすぐに熱が出てしまう点ことやとにかくよく食べて寝るが大事ということがとても共感しました。
- 河野英太郎さん:菊池病発病から1年経って 〜ネットで情報開示することの意義の一つを知る〜
- 私と同じ男性でかかった例で、仕事の考え方や日々の身体づくりを考えるきっかけになりました。
原因と周囲のサポート
お医者さんから「この病気は原因は不明だがストレスがきっかけとなることが多い」と言われました。
ちょうどその時は、仕事で昇格試験等があり、深夜まで働くことがあったり、
プライベートもマンションの購入や長男がまだ0歳だったことなどで色々と生活が変化していたことも要因としてあったのかもしれません。
元々仕事が多忙で妻に長男の世話をほぼ任せっきりだった中でさらに入院してしまい、家族にとても負担をかけてしまいました。妻や周囲のサポートにとても助けられました。本当に感謝しかありません。
退院後の生活
2週間の入院で無事退院しましたが、働き方について考え直しました。突然倒れたため、入院中も仕事の連絡をしないといけないことがありました。子供もいる中で再度倒れてしまったり、今度は妻が倒れた時にこの仕事のままでは無理だと感じました。妻とも話して同じ社内ではありますが、社内公募制度を利用して大きく仕事を変えました。ポジションとしては降格となり給料も少し減りますが、残業は1割になり業務のストレスも小さくなりました。
菊池病と向き合う日常のケア
耳鼻咽喉科をかかりつけに
菊池病は首のリンパ節に症状が出ることが多いです。私は知らなかったのですが、首のリンパ節は耳鼻咽喉科が専門のようです。
そのため、私は風邪の時は耳鼻咽喉科を受診するようにして、お医者さんにリンパ節の状態も確認してもらうようにしています。どうしても高熱が出ると「まだまだ続くのではないか」と怖くなってしまいます。菊池病も知っている先生なので、「これなら大丈夫だよ」って言ってもらえて、それだけでかなり安心します。
毎日の首チェック
日常的に首のリンパマッサージをしながら、腫れを確認する習慣をつけています。異変に気づいたら早めに寝て安静にするようにしています。
無理をしない生活
菊池病の後遺症なのか不明ですが、耳鼻咽喉科で首を見てもらうことで風邪を引くと大抵リンパ節が腫れて熱が出やすい体質ということが分かりました。子供が一時保育や幼稚園に行くようになり風邪を引くと同時に私もかかり、私だけひどくなることが多く、その時には毎回複数個所でリンパ節が腫れていると言われました。
特に喉が腫れるとリンパ節が腫れて熱が出るので、そもそも喉が腫れないようにお医者さんから「あいうべ体操」をおすすめされてやっています。そのほかにも日常のちょっとした運動や食生活など健康を意識して、とにかく風邪を引かないようにしています。
最近ようやく風邪を引きにくくなり、寝込まなくなってきました。
おわりに
この記事を通じて、菊池病を経験した方が少しでも安心し、日々の生活で役立つ情報を得られれば幸いです。菊池病の再発率は約5%と低いものの、再発への不安を抱える方も多いと思います。私も不安に思うこともありますが、耳鼻咽喉科のサポートや日々のセルフチェックで健康を保つよう努めています。この病気と向き合いながら、無理をせず自分のペースで日常生活を送っていきましょう。
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