「産後の恨みは一生」
この言葉、聞いたことはありますか?
私自身もパパとして、この言葉を身をもって経験しました。育児書を読んだだけで、やるべきことは全てこなせると甘く考えていたからです。しかし、実際に育児が始まると失敗の連続。ママを何度も怒らせてしまいました。
私自身の失敗談をもとに、「育児が始まる前にパパがやっておくべきこと」を5つにまとめました。
この記事は、こんな人に向けて書いています。
・周りに頼れる人が少ない環境の人
・育休後の働き方に不安がある人
・育児に対して漠然とした不安がある人
ママと「育児のリアル体験談」を一緒に知ろう
育児に“完全なマニュアル”はなく、育児本の通りに進みません。育児の進め方や価値観も人それぞれ。だからこそ大事なのは、「一緒に育児のリアルを見て、話すこと」。これが価値観を揃える一番の近道になります。

私の場合、「夫が寝たあとに【公式】」で育児のリアルを見ながら話しています。ママたちのリアルな不満や悩みが語られていて、パパにとっては気づきと反省の宝庫です。TVerで番組も配信されているので、ママと一緒に見ながら「これはないよね」「これは分かる」などと話してみてください。
この番組で「子供とのお風呂が終わったあとにママを呼ばないでほしい」という声があることを知り、はっとしました。自分では、一緒に育児を楽しんでいるつもりでした。でも、ママからすれば、せっかくの一人になれる時間を奪われていたのかもしれません。
育休より大事!復帰後の働き方を先に考えておく
男性の育休も取得できるようになってきました。でも、本当に大変なのは、育休後の仕事復帰です。子どもが熱を出す、夜泣きが続く、家事の負担が増える――育児はまだ続くのに、男性の場合、以前と同じ働き方ができると思われていることがあります。
私の場合、一人目の子どもが1歳になる前に残業が増えてしまい、ママにかなりの負担をかけてしまいました。そこで学んだのは、育休前から「復帰後にできること・できないこと」を職場と共有しておくことです。そのために、育休前から業務の引き継ぎ準備や上司との会話をしっかりやっておくことをおすすめします。
年齢ごとの目安として、私の場合は1歳までは残業はほぼ不可、3歳までは風邪での急な休みが多かったです。ママが仕事と両立できるようになった年齢は12歳という調査結果もあります。
完璧主義はNG!「楽するサービス」を試してみる
夫婦だけの育児は、時間との戦いです。育休中は時間があると思いがちですが、すべての家事や育児を完璧にこなそうとすると、必ず行き詰まってしまいます。
私は二人目が生まれたとき、「上の子のご飯はしっかり作ってあげよう」と意気込んでいました。しかし、結局ご飯の準備に時間を取られ、子どもと向き合う時間が減ってしまいました。新しい家族が増えて不安な上の子を、泣かせてしまったこともあります。
この経験から学んだのは、子育ては「すべてを完璧にやる」のではなく、「どこで手抜きをするか」を夫婦で決めることが非常に重要だということです。私たち夫婦は、子どもと向き合う時間を一番に考え、食事は手抜きをすることにしました。
最近では、ワタミの宅食などのサービスで簡単に食事が手に入りますし、ネットスーパーを活用すれば、買い物に行く手間も省けます。会社によっては、福利厚生で家事代行サービスを利用できる場合もあります。
何を大事にするかは子育てを通して決まっていくと思いますが、育児で疲れてから初めてこれらのサービスを使うのはハードルが高いもの。時間に余裕のある妊娠中に一度試しておくなど、事前に「楽する方法」を調べておくことをおすすめします。
「なんでもいいよ」は禁止!パパも決断する
「決断疲れ」って知っていますか?仕事だけでなく、私たちは一日を通して数えきれないほどの小さな決断をしていて、それによって心身が疲れてしまう状態のことです。
育児が始まると、ママは赤ちゃんのことで常に決断を迫られます。「ミルクは足りているか」「なぜ泣いているのか」といった、命に関わるような決断を休みなく行っています。その分、パパは家庭内の他の決断を積極的に引き受けるべきだと思っています。たとえば、毎日の食事や、おむつ、ミルクといった消耗品の管理などです。
「なんでもいいよ」や「言ってくれればやるよ」はNGワードです。結局、ママが最終的な決断を下すことになり、「決断疲れ」をさらに加速させてしまいます。
むしろ、ママを仕事の上司だと思ってください。「今日のご飯は〇〇でいい?」「おむつがそろそろなくなるから、Amazonで安いものを買っておいていい?」のように、ママがOKのハンコを押すだけで済むくらいにしておくのが理想です。
最初は難しいかもしれません。私も洗剤のメーカーすら知りませんでした。育児が始まる前に、家庭内でママが決めていることを意識することから始めましょう。少しずつでも、家事や消耗品の管理をパパが主体的に決断できるようになれば、ママの負担はぐっと軽くなります。
「ママをよく観察する」という究極のフォロー術
最後に必要なのは「ママを最優先で気にかける」という心意気です。「夫が寝たあとに」で、杉浦太陽さんが語っていたフォロー術でとても共感しました。
ママは赤ちゃんの世話を通して、新しい子育てのサイクルを作っていきます。パパの役割は、そのサイクルを邪魔しないように協力すること。ママが動いているのに、パパがぼーっとしているのは絶対ダメです。できることなら、そのサイクルの中の「お風呂」や「寝かしつけ」といったタスクを、パパが丸ごと担当するようにしましょう。
また、赤ちゃんを最優先にしているママは、自分のことをいつも後回しにしがちです。口数が減っていたり、体調が悪そうではないかなど、パパがママを最優先に気にかけてあげてください。
さいごに
今回は、私自身の失敗談を元に、育児が始まる前にパパがやっておくべきことを5つ紹介しました。
覚えておきたいポイントは次のとおりです。
- ママのリアルな体験談を一緒に知る → 夫婦で未来の悩みを共有するきっかけに。
- 育休後の働き方を職場と調整しておく → 残業や急な休みに備えて準備する。
- 完璧を目指さずサービスを活用する → 宅食や代行で「楽する方法」を事前に試す。
- 小さな決断をパパが担う → 「なんでもいいよ」は禁止ワード。
- ママをよく観察する → 最も身近なサポーターはパパ。
育児の形は家庭ごとに違いますが、共通して言えるのは「パパが主体的に考え、動くこと」が大切だということです。
この記事が、あなたの家庭での育児の第一歩を安心して踏み出すヒントになれば嬉しいです。